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仕訳データ形式から見るインボイス対応(第1回 勘定奉行編)

[最終更新:2023/8/30]

このシリーズでは、会計ソフト各社のインボイス対応を、仕訳データ形式の観点から見てみます。第1回目はOBCの勘定奉行シリーズのうち、以下の2製品を取り上げます*1

  • 勘定奉行i11(スタンドアロン)
  • 勘定奉行クラウド

1. 勘定奉行はインボイス制度に対応している

勘定奉行は、i11もクラウドも、インボイス制度に対応しているようです。会計ソフト各社が同様にインボス制度への対応をアナウンスしていますが、仕訳データ形式における対応方法には各社の個性がみられます。

2. 勘定奉行は列を追加した

勘定奉行は、i11もクラウドも、仕訳データ*2の列の追加によりインボイス制度に対応したようです。両製品とも以下の列を追加しています。

  • インボイス取引区分
  • 仕入税額控除割合

また、仕訳データではありませんが、取引先データに以下の列も追加しています。

  • インボイス登録区分
  • インボイス登録番号

なお、仕訳データの「インボイス取引区分」が空白の場合は、仕訳データの消費税区分*3と取引先データの「インボイス登録区分」を参照するしくみのようです。

また、仕訳データの「仕入税額控除割合」は、免税事業者との取引の場合に設定する項目で、空白の場合は伝票日付を参照するしくみのようです。

3. 仕訳データを作る側の対応

以上を踏まえると、勘定奉行に取り込む仕訳データを作る側の対応は、次の2通りが考えられそうです。

① 仕訳データの列を追加する

仕訳データに「インボイス取引区分」と「仕入税額控除割合」を追加して対応する方法です。

② 仕訳データの列は追加せず、取引先データを設定・更新する

仕訳データの列は変えずに、取引先データの「インボイス登録区分」を設定して対応する方法です。

①の場合は、作成する仕訳データの形式を変更する必要がありますが、取引先データを設定する必要がありません。

他方、②の場合は、作成する仕訳データの形式を変える必要はありませんが、取引先データを設定する必要があります。

ユーザー企業は、自社の状況に応じてこれらの選択肢を比較検討することになるのではないでしょうか。

 

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*1:2023年8月30日時点の各製品情報に基づきます。

*2:この記事では、OBC受入形式の「仕訳伝票データ」について取り上げます。

*3:i11は「税区分コード」、クラウドは「消費税区分コード」。